ブランド戦略の現場において、私たちが日々直面する課題は「いかにして限られた資源を最大限に活かし、成果に結びつけるか」という点に尽きます。その核心にあるのが戦略企画です。では戦略企画が欠けるとどうなるか？

デザインや広告施策といったアウトプットだけが先行すると、施策は一時的に目を引くかもしれません。しかし、中長期的なブランド価値を築くことは困難です。なぜなら、企業の存在意義や顧客に伝えたい本質的な価値が整理されていないままでは、発信がバラバラになり、結果として「一過性のキャンペーン」に終わってしまうからです。

戦略企画とは、単なる計画立案ではありません。 企業の理念や歴史を紐解くこと、市場環境や競合分析を通じて立ち位置を明確にすること、ターゲット顧客の価値観・行動様式を洞察すること その上で、ブランドとして何を約束し、どう発信していくかを設計すること これらを包括的に整理することが、戦略企画の本質です。言い換えれば、戦略企画は「ブランドの設計図」であり、 この図面があるからこそ、後のデザイン・広告・広報が統一感を持ち、成果を上げるのです。